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定員 入所100名、通所デイケア20名 随時ご利用可能 担当 相談員 森,水谷 電話 0594-72-6811 介護・看護・リハビリ職員採用ご希望の方へ 募集人数 若干名 担当 総務課長 瀬古 電話 0594-72-6811 医療法人大和会介護老人保健施設銀花 いなべ市北勢町阿下喜680 三重交通バス、三岐鉄道北勢線阿下喜駅下車1分 (医)大和会日下病院(http://www.kusaka-hp.jp)隣接 以前の記事
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人工的水分・栄養補給法(AHN)導入過程におけるガイドライン はじめに 高齢者ケアの現場において、関係者たちを悩ませる典型的な問題の一つに、何らかの理由で飲食できなくなった時に、人工的水分・栄養補給法(以下AHN)を導入するかどうかというものがある。 AHNは、経口による自然な食物摂取以外の手段で水分・栄養を補給する方法で、経腸栄養法(胃ろう栄養法、経鼻経管栄養法、間欠的口腔食道経管栄養法)、非経腸栄養法(中心静脈栄養法、末梢静脈栄養法、持続皮下注射)などが含まれる。 平成22年度に実施された日本老年医学会の調査において、認知症や末期患者へのAHN導入の可否の意思決定に関わった経験を有する医師の約9割が困難を感じたと回答している。それらの困難感の内容では、多くの医療者が「導入しないことに倫理的な問題を感じ」ているが、また「導入することに倫理的な問題を感じ」てもいるというように困惑をしている。困惑の原因としては、高齢者が長く生きられれば生きられるほうがよいと無条件にいえるかといったことについての共通理解が定まっていないという点があげられている。このような現場の医療・介護・福祉従事者が AHN 導入をめぐって適切な対応ができるように支援することを目的として、日本老年医学会はガイドラインを策定し平成24年6月に公表した。 ガイドラインの概要 1.医療・介護における意思決定プロセス 医療・介護・福祉従事者は、患者本人およびその家族や代理人とのコミュニケーションを通して、皆が共に納得できる合意形成とそれに基づく選択・決定を目指す。 2.いのちについてどう考えるか 生きていることは良いことであり、多くの場合本人の益になる——このように評価するのは、本人の人生をより豊かにし得る限り、生命はより長く続いたほうが良いからである。医療・介護・福祉従事者は、このような価値観に基づいて、個別事例ごとに、本人の人生をより豊かにすること、少なくともより悪くしないことを目指して、本人のQOLの保持・向上および生命維持のために、どのような介入をする、あるいはしないのがよいかを判断する。 3.AHN導入に関する意思決定プロセスにおける留意点 AHN導入および導入後の減量・中止についても、以上の意思決定プロセスおよびいのちの考え方についての指針を基本として考える。ことに次の諸点に配慮する。 1)経口摂取の可能性を適切に評価し、AHN導入の必要性を確認する。 2)AHN導入に関する諸選択肢(導入しないことも含む)を、本人の人生にとっての益と害という観点で評価し、目的を明確にしつつ、最善のものを見出す。 3)本人の人生にとっての最善を達成するという観点で、家族の事情や生活環境についても配慮する。 高齢者ケアの問題点 高齢者ケアにおいて、本人の食が細くなったり、嚥下機能の障害により経口摂取ができなくなった等の理由により、生命維持に必要な栄養補給ができなくなった場合に、AHNを導入するかどうか、どの方法にするかの選択に際しても、以上の意思決定プロセスについてのあり方およびいのちの評価についての一般的指針が妥当する。 AHN導入および導入後の減量・中止についても、以上の意思決定プロセスおよびいのちの考え方についての指針を基本として考える。ことに次の諸点に配慮する。 1)経口摂取の可能性を適切に評価し、AHN導入の必要性を確認する。 2)AHN導入に関する諸選択肢(導入しないことも含む)を、本人の人生にとっての益と害という観点で評価し、目的を明確にしつつ、最善のものを見出す。 3)本人の人生にとっての最善を達成するという観点で、家族の事情や生活環境についても配慮する。 1. AHN導入の検討時 まず、経口摂取による水分・栄養摂取の身体機能面での可能性とそれを可能にするケアの実施可能性を十分検討し、追求した上で、導入を検討する必要性があることを確認する。その上で、意思決定プロセスにおいては、本人・家族がAHNを導入しないことを含め候補となる選択肢を示され、各選択肢が本人の生活にもたらす益と害について知らされ、理解した上で、本人の意思(推定を含め)と人生についての理解に照らして最善の道を考えられるようにする。 2. AHN導入方法の選択 候補となっている選択肢が、当該事例に関して何を目指すものであるか 1)生命維持により、本人のよい人生が当面続くことを目指す。 2)本人が残された時間をできるだけ快適に過ごせることを目指す。 いずれかを明確にし、選択にあたっては、本人が残りの人生をどのように生きることが望ましいかという観点で、何を目指すかとAHNのどの選択肢かとを組にして考える。 なお、AHN導入が、1)と2)のいずれをも達成する見込みがない場合には、AHNはかえって本人にとって害となり、人生の最期を歪めることになる。 (A)あるAHNを導入すればそれなりのQOLを伴う延命が見込まれる場合、1)と2)が両立するので、一般には導入が適当であると考えられるが、本人の人生にとって最善かどうかを個別に確認する。その結果、本人が人生をどう理解し、かつAHNについてどういう意思をもっているかによっては、AHN導入をしないほうがよい と看做されることもあり得る。 (B)あるAHNを導入すれば延命効果は見込まれるが、本人のよい人生を支え得るほどのQOLを回復ないし保持できるかどうか(すなわち①の達成は)疑わしい場合、現在本人が辿っている人生の終わりの時期を本人や家族がどう理解するかに応じて、本人の人生にとって何が最善か(=何を目指し、どれを選ぶか)を判断する。 (C)医学的に言って、AHNに延命効果があるとはいえない場合、ないしは、効果があったとしても本人の人生にとって益となるとはいえない場合、本人ができるだけ快適に過ごすことを目指すことが妥当であろうると考えられる。しかし、この場合であっても、本人の人生に注目して、どうするのが最善かを、家族など周囲の近しい人々との話し合いを通して確認しつつ、ケアが目指すところを選ぶ。 3. AHN導入後の評価 継続的にその効果と本人の人生にとっての益を評価し、 (A)経口摂取が可能となったので、AHN離脱可能である場合、 または、 (B)全身状態の悪化により延命効果が見込まれない、ないしは必要なQOLが保てなくなるなどの理由で、本人にとって益とならなくなった場合、益となるかどうか疑わしくなった場合、 AHNの中止ないし減量を検討し、それが従来のやり方を継続するよりも本人の人生にとってより益となると見込まれる場合は、中止ないし減量を選択する。本人・家族から中止等の申し出があった時にも、本人の意思と人生にとっての益という観点で判断をする。いずれにしても、本ガイドラインが推奨する意思決定プロセスをたどって選択を行うことはもちろんである。 4. AHN 導入をめぐる意思決定プロセス 家族の気持ち・都合や、居宅介護の条件、入居先の介護施設の方針といった環境の故に、選択が左右されることがしばしばある。現在の環境の許容範囲内でできるかぎり本人の最善を目指し、また家族の負担を許容できる程度に抑える道を探す努力をする。
by yamatokai-ginnka
| 2014-05-08 10:35
| 介護の問題
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