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高齢者の肺結核症の現状と対策 結核の罹患率 1960年代から漸次減少していたが,1980年頃から減少率は年間3.2%と著明に低下した。しかし、1977年からは逆に3年連続して増加傾向を示した。その後、2000年以降は罹患率が再び減少してきた。罹患率鈍化の要因の一つは高齢者の増加と考えられている。 結核発生動向調査における新規登録者の中で、高齢者が占める割合は40%を越える。高齢者の割合は年々増加傾向にある。新登録塗抹陽性肺結核患者の65歳以上の割合は53%を占める。高齢者の結核は、重症で感染性の高い状態で発生しているので、院内感染対策の観点からも重要な問題である。 高齢者肺結核の特徴 典型的な症状を示さないことが多く、医療機関で結核と診断された時には、既に重症で、治療を実施しても化学療法の効果が現れる前に死亡する例が少なくない。結核病棟に入院した65歳以上の患者について調べた報告では,肺結核の診断以前に医療機関にかかっていた人は70%、高齢者施設入居中の人は6%、放置例は25%であった。症状は93%に認められたが、典型的な咳、痰などの呼吸器症状の他に、発熱、食欲不振、全身倦怠、体重減少等の症状が認められ、呼吸器症状以外の症状のみの人は50%であった。この割合は75歳以上では60%と高率を示した。 高齢者では診断の遅れが目立っている。高齢者では症状が悪化しても典型的な呼吸器症状の乏しい肺結核が多いということを念頭において診断をすべきである。高齢者の健診は,ハイリスク層の健診の一つとして重要な課題である。一般住民健診での結核患者発見率は0.02%、職場健診では0.01%であったのに対して、高齢者施設入居者では0.73%と高い発見率が報告されている。 高齢者肺結核の診断 胸部X線写真の質については、高齢者では肺,胸郭等の加齢的変化が画像上に影響を及ぼしていることがある。肺気腫,慢性気管支炎などの慢性閉塞性肺疾患を持っている高齢者や脳血管障害等での寝たきりなど身体の不自由な高齢者が多く見られるので、撮影時の体位や呼吸の条件等が不十分で、精度の高い画像が得られないこともある。適確な診断ができないことがある。 高齢者では、肺がん健診もあり,以前撮影した写真との比較読影も大切になる。高齢者の胸部X線像は、多彩な所見を呈することが多く、肺結核として典型的な所見が少なく診断に難渋することもある。高齢者の肺結核対策としては、早期受診と早期診断が重要であることが指摘されている。特に診断には喀痰検査(結核菌)の実施、塗沫検査で陽性の場合にはPCR検査が他の抗酸菌との鑑別に重要である。また、塗沫検査で陰性でも、培養の結果が出る2ヶ月の間にPCR検査で結論が出ることがある。 遺伝子増幅法による結核菌の検出 MTDあるいはPCRによる抗酸菌の遺伝子診断法。MTDはRNAを増幅し、PCRはDNAを増幅しているなどの増幅の方法が異なる。MTDで現在市販されているのは結核菌検出キット、PCRでは結核菌検出キットとMAC(M. avium complex)検出キットのが市販されている。実際上は両者にあまり大きな差はない。 いずれも検体の中に数個の菌があれば検出できる感度の良い検査法である。検査を行えば数時間で結果が得られる。培養結果をみるよりずっと早く結果が分かる。その上、結核菌あるいはMACの有無を、前号で述べたハイブリダイゼーションで検出しているので、結核菌とMACの鑑別も確実であるという大きな利点もある。 従って、結核が疑われるのに、喀痰塗抹検査が陰性の場合、培養で2ヶ月も結果が出るのを待つより、この検査で早く結果が得られる。治療を始めて塗抹陰性となった場合、この方法でも陰性が確認できれば、培養でも陰性と考えてまず誤りないので、安心して退院を勧めることができる。化学療法終了後にレントゲン像が悪化した場合には、結核の悪化か、ほかの感染の偶発かの鑑別にも有用である。胸水など、少数の菌しか含まれていない検体の検査では、この遺伝子増幅法は威力を発揮する。 二次結核発症 結核菌感染者で発病するのは10人に1人の割合である。 感染に引き続き発病するのを一次結核といい。若年者が多い。 感染後は免疫で押さえ込まれて肺内で眠っている。年月が経って体力が落ち、発病するのが二次結核である。高齢者の肺結核の多くは、二次結核である。 ニ次結核発病までの期間は、4ヶ月から20年以上にわたる。二次結核症の90%が肺結核、残りは肺外結核である。高齢者肺結核では下肺野結核を含め非典型な画像を呈することも多い。感染し発病したため治療を受け治癒したが、高齢になって体力が落ち再発した状況もある。 特に、糖尿病に罹患している高齢者では、結核の発症に注意する必要がある。 結核予防法廃止と新感染症法統合による結核の取り扱い 平成19年3月の結核予防法の廃止と、改正感染症法政省令における結核感染症の取り扱いについてはいくつかの混乱がある。以下の項目について、全国保健所長会と厚生労働省との協議が行われたが、なお不明な事項がある。特に無症状者で結核菌有病者の取り扱いが懸念される。「結核に関する特定感染症予防指針」に、新感染法への統合によって自治体及び国民の結核に対する関心の低下等を生じさせないこと、今後も結核対策は国の重要課題であることを明確に位置づけるが求められている。 1. 届出基準関連 (ア)初感染結核、(結核における)無症状病原体保有者、疑似症の定義と届出の必要性を以下の観点から明確にすること。 ① 治療(発病予防を含む)の必要性 1. 公費負担の必要性も考慮 2. 「初感染結核」の場合の予防内服も考慮 ② 他者への感染性(感染拡大の防止) 1. 喀痰塗抹陽性かつ無症状例なども考慮 ③ 結核の実態把握(統計) 1. 「真の初感染結核」を把握することの必要性 (イ)定義・届出基準に使用しうる所見 ① 臨床症状・所見 1. 肺外結核も考慮 ② 検査所見 1. QFTの導入の是非 2. 就業制限関連 (ア)他者への感染性(感染拡大の防止)観点から基準を明確にすること。 ① 入院勧告期間と別に就業制限期間を規定することの必要性の有無 (ア)喀痰塗抹陰性化の確認(ほとんどの場合3回) (イ)適切な治療が行われている (ウ)臨床的な改善がある 3. BCG接種 (ア)接種期間延長の必要性 4. 慢性感染症 (ア)地域におけるHIV/AIDSの実態把握の必要性 QFT検査の導入について QFT検査は、結核菌特異蛋白刺激性遊離インターフェロン-γ測定検査のことである。平成18年1月1日より保険適用になっている。結核感染の有無を検査する方法として、従来のツベルクリン皮内反応検査に代わるものとして期待されている。2007年4月に「改正感染症法に基づく結核の接触者健康診断の手引き」, 7月に改訂2版が出された。これによると、ツ反検査は既往BCG接種の影響を強く受けるため, 結核に未感染であっても陽性を示すことが多く, 感染の診断が難しかったので、結核感染の有無の検査としてQFTを第1優先と位置づけている。ツ反検査は, 乳幼児対象の検査, または実施体制の問題によりQFTが実施できない場合の検査, あるいは集団感染対策でQFTを効率よく実施するための補助的検査として位置づけられた。これまで接触者健診の中でツ反検査を行うとされてきた状況, つまり結核患者が発生し, その接触者に感染が疑われる場合 、とくに初発患者が喀痰塗抹陽性の肺結核患者の場合 には,、QFTをツ反に代わる検査として実施することが出来るとされている。 QFT検査で「陽性」と判定された場合は、過去の結核罹患や古い感染歴)を意味するのか、最近の感染を意味するのかを区別することは出来ない。高齢者などの結核既感染率の高い集団では, 「陽性」は「最近の感染」と言えない事例もある。従って, 症状や画像所見の有無等について精査を行い,、総合的に判断する必要がある。無症状結核性病原体保有者と診断し, 医療が必要と認められた場合は潜在性結核感染症としての治療を行うことになる。ツ反陽性者とQFT陽性者を放置した場合の肺結核発症の危険度は、QFT陽性者からの方が危険度が高い。 QFT検査の結果が「陽性」であれば, 症状や画像所見の有無等について精査を行い, 結核の臨床的特徴を呈していない無症状病原体保有者と診断し、かつ医療が必要と認められた場合には, 感染症法第12条第1項の規定による届出を行うとともに、「潜在性結核感染症」としての治療を行う必要がある。 QFT検査の費用については、一般に保健所が発動した接触者健診の場合は公費負担である。結核集団感染対策の対象が病院などの医療機関であった場合は、健診の実施方法について保健所と当該病院間で十分協議する必要がある。このような場合, 病院などでは「院内感染対策」の観点からも、 医療法などに基づき,、主体的に原因調査や感染拡大防止に取り組む必要がある。都道府県知事等からの勧告に基づく (感染症法17条の) 健診ではなく、病院自らの責任で職員などの健診を実施する方法も考えられる。健診対象者が少人数の職員に限定される場合などは,、健診方法を助言した上で、健診の医学的検査部分の実施を病院に任せる方法が多いと考えられる。一方、集団感染対策としての健診対象者が病院職員のみでなく,、入院・外来患者などを含めた多数に及ぶ場合は,、保健所の積極的関与が必要である。また、医療従事者などの健康管理のためのQFT検査には健康保険は適用にはならない。 結核に関する取り扱い基準(平成19年4月1日 新感染症法改正) (1)定義 結核菌群(Mycobacterium tubrculosis complex、ただしMycobacterium bovisBCG を除く)による感染症である。 (2)臨床的特徴 感染は主に気道を介した飛沫核感染による。感染源の大半は喀痰塗抹陽性の肺結核患者で あるが、ときに培養のみ陽性の患者、まれには菌陰性の患者や肺外結核患者が感染源になる こともある。感染後数週間から一生涯にわたり臨床的に発病の可能性があるが、発病するの は通常30%程度である。若い患者の場合、発病に先立つ数ヶ月~数年以内に結核患者と接触歴のあることが多い。 感染後の発病のリスクは感染後間もない時期(とくに1 年以内)に高く、年齢的には乳幼 児期、思春期に高い。また、特定の疾患(糖尿病、胃潰瘍、慢性腎不全、エイズ、塵肺等)を 合併している者や免疫抑制剤(副腎皮質ホルモン剤、TNFα阻害薬等)治療中の者等におい ても高くなる。 多くの場合、最も一般的な侵入門戸である肺の病変として発症する(肺結核)が、肺外臓器にも起こりうる。肺外罹患臓器として多いのは胸膜、肺門・末梢リンパ節、脊椎・その他の骨・関節、腎臓・尿生殖器、腸、腹膜、心外膜、皮膚、中枢神経系、喉頭、眼、耳、粟粒結核等である。肺結核では、画像上何らかの異常所見を呈するのが普通であるが、この所見は非典型的なこともある。喀痰や胃液、肺胞洗浄液等から結核菌を検出できることもある。 肺外臓器の病変の場合は、組織検査で特徴的な所見(巨細胞肉芽腫、ときに抗酸菌がみられる)が得られることが多く、病変の膿や分泌液等から結核菌を検出できることもある。 高齢者を除いてツベルクリン反応は通常陽性であり、クォンティフェロンTB 第二世代も陽性の ことが多い。軽症の肺結核では画像所見が唯一の他覚的所見であるが、治療をしないと進展 して排菌を始めることもある。 (3)届出基準 ア 患者(確定例) 医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から結核が疑われ、かつ、胸部エックス線、CT等画像検査以外の検査については、次の表の左欄に掲げる検査方法により、結核患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。 この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。 胸部エックス線、CT等画像検査による検査方法については、当該検査所見に加え、問診等により医師が結核患者であると診断するに足る判断がなされる場合に限り届出を行うものである。 鑑別を必要とする疾患は、他の原因による肺炎、非結核性抗酸菌症、肺癌、気管支拡張症、良性腫瘍である。 イ 無症状病原体保有者 医師は、診察した者が(2)の臨床的症状を呈していないが、次の表の胸部エックス線、CT等画像検査以外の左欄に掲げる検査方法により、結核の無症状病原体保有者と診断し、かつ、結核医療を必要とすると認められる場合に限り、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。 この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。 ウ 疑似症患者 医師は、(2)の臨床的症状を有する者を診察した結果、症状や所見から、結核の疑似症患者と診断するに足る高度の蓋然性が認められる場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。 疑似症患者の診断に当たっては、集団発生の状況、疫学的関連性なども考慮し判断する。 エ 感染症死亡者の死体 医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、結核が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、結核により死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。 この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の 右欄に定めるもののいずれかを用いること。 オ 感染症死亡疑い者の死体 医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、結核により死亡したと疑われる場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。 検査方法 検査材料 塗抹検査による病原体の検出: 喀痰、胃液、咽頭・喉頭ぬぐい液、肺胞洗浄液、胸水、膿汁・分泌液、尿、便、脳脊髄液、組織材料 分離・同定による病原体の検出: 喀痰、胃液、咽頭・喉頭ぬぐい液、肺胞洗浄液、胸水、膿汁・分泌液、尿、便、脳脊髄液、組織材料 核酸増幅法による病原体遺伝子の検出: 喀痰、胃液、咽頭・喉頭ぬぐい液、肺胞洗浄液、胸水、膿汁・分泌液、尿、便、脳脊髄液、組織材料 組織標本における特異的所見: 病理組織 画像所見: 胸部エックス線、CT 等検査画像 結核の接触者健康診断の手引き 改正感染症法に基づく 結核の接触者健康診断の手引き (2007年7月 改訂2版) http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/07/dl/s0730-12g.pdf (265305 bytes)
by yamatokai-ginnka
| 2007-08-20 12:47
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